二十九歳のHさんは、外資系の某ネットワーク機器メーカーの営業マンとして活躍していた。この会社、業界でもかなり高い年収で名が通っており、昨今のITブームの中においては、垂混の的とされる企業である。そんな会社を辞めて別の会社に行きたい、というHさんには、それなりの理由があった。「まあ、待遇面では満足していますし、仕事的にも大きなことを任せてもらっていると思っています。ただ、どうしても取り扱い製品が機器
高い待遇で内定提示... の続きを読む
労働条件については、実に88%の人が「いずれレノボのほうが悪くなる」と回答。たしかに、月額7万円を超える住宅補助など手厚い福利厚生が継続されるとは、考えにくい。退職金や年金、年次有給休暇などは引き継がれるが、極端にいえば、保証されるのは引き継がれた最初の1日だけで、分割先の企業の経営方針次第で、その後は、どうとでも条件は変更される。個人業績のよし悪しとは関係なく、会社側のM&A戦略によって、社員が
社員は諦めモード... の続きを読む
正規雇用が保護されていると、なぜ非正規雇用が増えることになるのか。また、終身雇用制は戦後を通して維持されてきた制度であるのに、九〇年代後半になって、それがどうして非正規雇用の増加につながる要因になったのか。その背景には、九〇年代に入って、バブルの崩壊によって経済の成長率が低下したこともあるが、日本経済の競争条件が厳しくなってきたことがある。売り上げが減少するなかで、企業が利益をあげていくためには、
厳しいコスト削減のための非正規雇用... の続きを読む
企業内部で技能形成を行うというメカニズム自体が消滅することになる。このように、日本型雇用システムの構造変動とは、労使関係/技能形成/労働生産性という機能連関において、技能形成の項が消滅することでもある。少なくとも技能形成の機能は低下することになる。それは雇用システムそのものの機能的衰退を意味している。すると、もし既存のものとは異なる雇用システムが形成され、それが新たな機能連関を形成するのであれば、
「職業別労働市場」と呼ばれる雇用システムとは... の続きを読む
Sさんは「どうなるか判らないなら、B社に転職してしまいたい」と考え、B社人事に打診をしてみることにした。しかし、返ってきた答えは、微妙なニュアンスのものだった。「現場はSさんのようなキャリアの人を欲しがってはいるんです。けれど、とにかく今はばたばたしてましてねえ……中途採用の計画も白紙撤回といったところなんですよ。いっそのこと、合併が完全に破談になってくれれば、これまでの計画を進めて、Sさんを採用
会社に振り回されたくない... の続きを読む